Gardening

パセリの育て方

パセリ

パセリの原産地は地中海沿岸といわれています。パセリがヨーロッパ全土で栽培されるようになったのは17世紀頃で、日本には18世紀末にオランダ船により長崎に持ち込まれたため、オランダゼリとも呼ばれていました。

日本でパセリといえば、料理の付け合せに出てくる縮葉種(モスカールドパセリ)が一般的ですが、パセリの原型はイタリアンパセリのような平葉種です。他にも根を食用とする、根パセリもあります。

添え物のイメージが強いですが、栄養価が高く、生活習慣病の予防や胃腸の調子を整えてくれる効果があります。

園芸分類野菜 
草丈・樹高20~30cm
耐寒性強い
耐暑性強い
花色白色
開花時期6~7月

育て方のポイント

パセリの生育適温は15~20℃です。耐寒性・耐暑性に優れているので、1年を通して栽培可能です。

パセリは日当りのよい場所~半日陰程度の場所で栽培できます。日光が足りないパセリは徒長します。日当たりがよい場所の方が葉の色が濃い色になりますが、光が強すぎると葉が固くなるので、栽培環境の中でうまく育つ場所を見つけていきましょう。

実生での育て方

パセリは、4〜5月か9〜10月頃が種まきの適期で、約70日で収穫できるようになります。

育苗ポットで苗まで育ててから植え付ける方法と、直接鉢や地面に植え付ける方法の2通りがあります。育苗するときは、本葉が5~6枚になったタイミングで植え替えていきましょう。直接土に種をまくときは、管理が楽なプランターへ行うのがおすすめです。

  1. 育てる容器の中に赤玉土(小粒)など種まき用の土を入れる
  2. 土を種が薄っすらと隠れるくらい(1~3mm)かぶせる
  3. 種が飛ばないよう霧吹きで水をたっぷりと吹きかける
  4. 土を乾燥させないよう毎日霧吹きで水を与える
  5. 発芽後は、土の表面が乾いたら水を与える
  6. 本葉が2~3枚になったら、育苗ポットに1株に、プランターなら株同士が触れ合わない程度に生育のよいものを選んで間引く
  7. 本葉は5~6枚になったら育苗ポットのものは植え替え、プランター植えは株同士の間隔を15~20cm空くように間引く

苗の育て方

パセリの苗植えも4~5月が植え付けの適期です。パセリは発芽率が低く、育苗がむずかしいので、はじめての方は苗から育てると失敗が少なくすみます。

鉢植え

パセリは真下に向かってまっすぐに根を張るので、深めの鉢やプランターに植え付けます。10号鉢な1~2株、60cmプランターなら2~3株が植え付けの目安です。容器の底に軽石と土を入れ、株同士の間隔を15~20cm空けて植えていきましょう。土は、赤玉土7〜8:腐葉土2〜3ほどの割合で混ぜたものか、市販の花・野菜用の培養土を使います。

地植え

酸性の土に弱いので、植え付ける2週間前から土作りをはじめていきます。

  1. 畑の土1㎡あたりコップ1~1.5杯(100~150g)の苦土石灰を混ぜあわせる
  2. 1週間ほど寝かせたら、幅40~50cm、高さ10~15cmの畝を立てる
  3. 畝の中心に深さ20~30cmの溝を堀る
  4. 溝を掘った土に堆肥、化成肥料、油カスを混ぜあわせてから埋め戻す
  5. 株同士の間隔が20~30cm空くよう、植え穴を掘ってパセリの苗を植え付ける
  6. ジョウロでたっぷりとそれぞれの株に水を注ぐ
  7. 畝全体にたっぷりと水をかけたら完了
水耕栽培

パセリは水耕栽培でも育てられます。室内の明るい窓辺などに置いて育てれば、葉は柔らかく、香りや苦味が少なくなりますよ。パセリの苦味が苦手な方におすすめの栽培方法です。

  1. 園芸店でパセリの苗を用意する
  2. 土を落として水で根をきれいに洗う
  3. 水耕栽培をする容器の口回りより少し大きく切ったスポンジたわしを用意する
  4. スポンジの中心まで切込みを入れる
  5. パセリの根をスポンジの切込みに挟む
  6. 土から出ていた部分はスポンジからも出るようにする
  7. 根を1/3くらいに切りそろえる
  8. 容器に株を入れ、毎日水を入れ替える
  9. 液肥を2週間に1回ほど与える

詳しい育て方

プランター栽培のパセリは、野菜用の培養土で育てましょう。

畑栽培のパセリは、堆肥や元肥を入れる2週間前位には石灰を入れ耕しましょう。その後、堆肥と元肥を入れ、土になじませましょう。パセリはよく耕された湿り気のある土を好みます。

水やり

パセリは夏の強い日差しに弱く、乾燥すると下葉が黄色くなります。夏は乾燥しないように水やりに注意しましょう。冬の水やりは、土が乾いてから与えましょう。

肥料

2回目の間引き後、追肥は月に1度与えます。パセリは1年中収穫できるために、株が疲れていたり、葉が黄色くなってきたら、追肥の回数を20日に1度の割合に増やしてみましょう。

病害虫

キアゲハは葉を食害します。葉にフンを見つけたら、必ず幼虫がいます。1枚1枚注意深く探し、幼虫を捕殺しましょう。

茎がポッキリ折れた状態を見つけたらネキリムシの仕業です。1cm程土の中に割り箸などで軽く掘り返しながら探します。大きいネキリムシが2匹もいれば壊滅状態まで食べられてしまいます。

増やし方

パセリは種で増やすことができます。

収穫

パセリの本葉が15枚以上になったら収穫のタイミングです。必ず10〜15枚は葉っぱが残るようにして、外側から使う分だけ摘み取っていきます。内側の新芽は、これから大きく育つところなので取らないように気をつけてください。

摘み取る際は、できるだけ根本から長く茎を摘み取りましょう。爪の先やハサミを利用すると切り取りやすいですよ。また、花が咲いてしまうと茎葉が固くなるので、種を採取するとき以外は早めに摘み取りましょう。

保存

生・冷凍

生の状態のまま保存する場合は、水を張った容器にパセリを入れて、冷蔵庫へ。1週間は保存可能です。冷凍保存のときは、水洗いしてペーパーなどで水気を取り、太い茎の分部だけ大まかに取ります。後はフリーザーバッグに入れて冷凍庫に保管していきましょう。凍ったら、袋の上から揉んで粉々にしておくと、そのまま料理に使えますよ。

乾燥

乾燥パセリの作り方は、ペーパーを敷いたお皿に太い茎を取ったパセリを乗せ上からもペーパーで覆い、レンジにかけます。1分加熱して、ペーパーが水分で湿っていたら取り替えてまた1分加熱を3〜4回繰り返しカリカリに乾燥したら、手で握ると砕けるのでビンなどに入れて保存します。

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