りんごの栄養効果

りんごが美味しい季節です♪よく摂るものなので栄養や効果をまとめてみました。

りんご

バラ科リンゴ属の落葉高木に実る果実のこと。人との関わりは古く紀元前から栽培されていたと見られます。

日本では平安時代の書物に記述に見られ、現在世界中で生産される種類は数千以上とも言われています。

栄養価の高い果実は生産されるほか、加工品として酒、ジャム、ジュース、菓子の材料などに利用されます。

「１日１個のりんごは医者を遠ざける」と言うことわざがある通り健康増進にはもってこいの果樹です。

りんごの主な栄養

カリウム	りんごに含まれるカリウムは体内の塩分を排出し、高血圧を予防してくれる働きがあります。
食物繊維	特にりんごの皮に多く含まれ腸の働きを活発にし、消化吸収は助けてくれる働きがあります。中でも繊維成分であるペクチンは整腸作用を促します。
甘味成分	果糖、ブドウ糖、ショ糖の3種の糖分が10％程度含まれていて、このうち果糖にはαとβ型の2種類あり、冷やすことによってαからβへと変化し甘味が増す効果があります。
ビタミンC	りんごに含まれるビタミンＣは、100ｇ当り4ｍｇもあります。安定生の高い酸化型なので、加熱したり切ったりしても破壊されず、栄養価が損なわれることはありません。
有機酸	疲れを感じた時にりんごを食べると気分を爽やかにしてくれます。りんご酸、クエン酸等の有機酸は、疲労時のアルカリ分の多い状態“アルカロージス”を中和する働きがあります。

りんごポリフェノール

りんごには、100種類以上の「ポリフェノール」が含まれ、一つの果物に３種類以上含まれているものは珍しく、複数のポリフェノールを持つ事により抗酸化性が高くなります。

りんごに含まれるポリフェノールのうち、主な3つの成分
１・エピカテキン・・・抗酸化作用が高く、免疫力を高める
２・プロシアニジン・・・アレルギーの改善、美白効果
３・アントシアニン・・・高血圧の予防、視力の改善
りんごの皮は果肉に比べて約４倍のポリフェノールが含まれているため、皮も一緒に食べたほうがいいとされます。

このリンゴポリフェノールの中の「プロシアニジン」に体内への脂肪の蓄積を強く抑制する働きがあることが明らかになり、肥満予防効果に一層期待が高まっています。
普通にりんごを食べる場合、リンゴポリフェノールの量は限られますが、継続的に食べれていれば、体調も良い方向に向かうそうです。

リンゴポリフェノールは、未熟なものや青いリンゴの方が約6倍多く含まれておりジュースなら1缶でリンゴ2～3個分が取れる利点があります。

抗癌作用	「プロシアニジン」ががん細胞の繁殖や腫瘍の増大を抑制する効果があります。
抗アレルギー作用	活性酸素から細胞を守って酸化を防ぎ、老化の原因ともなる過酸化脂質が増えるのを抑制する働きがあります。
コレステロール改善	血管の掃除役である善玉コレステロールの減少をくいとめる働きがあります。
消臭作用	口臭の原因であるメチルメルカプタンの発生を抑えてくれます。
虫歯予防	リンゴポリフェノール配合の洗口液を使うと歯垢の付着を防いでくれます。
高血圧予防	高血圧に深くかかわっているとされている、酵素の活性化を阻害し高血圧を防ぐ働きがあります。
メラニン生成の抑制	シミのもとになる、過剰なメラニンが作られるのを防いでくれます。
紫外線カット	日焼けの炎症のもととなる紫外線のＵＶ－Ｂ波、ＵＶ－Ａ波の両方を吸収してくれます。
育毛効果	りんごの果汁から抽出したポリフェノールの一種が、育毛を活性化してくれます。
りんご酸	疲労物質の乳酸を取り除き、自立神経を正常に保ち、新陳代謝を促進させ、思考力の低下を防止します。

りんごペクチン

ペクチンとは、皮と実の間に含まれる繊維成分のひとつで、トロッと固まる性質があり、植物性のゼラチンのようなものです。

りんごジャムを作る時にゼラチンや寒天を加えたわけでもないのに自然に固まります。この成分がペクチンです。

高い整腸作用

おなかの調子が悪い時、すりおろしたりんごを食べると良くなりますが、これは日本に古くからある民間療法の一つです。
りんごに含まれるペクチンには、整腸作用、鎮静作用があるため、胃や腸に刺激を与え、働きを高めてくれます。また、下痢や便秘の時、腸壁にゼリー状の膜を作り、有害な物質が腸壁から吸収されるのを防ぐ解毒効果もあります。下痢止め、食当り、冷えによる腹痛に効果があります。ペクチンは自然の整腸剤です。

コレステロールを下げる

コレステロールの取りすぎはよくないと言われていますが、卵黄、肉、バターなどに多いコレステロールは血管に付着するため血流を悪くさせ、高血圧、動脈硬化、心臓病の原因といわれています。
りんごに含まれるペクチンは、コレステロールの異常を抑えてくれる働きがあります。ゼラチン状のペクチンは、硫酸多糖と呼ぶヌルヌルした物質で、この性質がコレステロールの運び屋、リポたんぱくを分離して、血管の壁にコレステロールが付着することを防いでくれるのです。同時にりんごの食物繊維が、腸の内部にあるコレステロールを吸収し、有害なものは、便として排出してしまうのです。
コレステロールの多い食べ物をとり過ぎたかなと思ったらりんごを丸かじりすると良いでしょう。とても簡単で理にかなった健康法です。

りんごを皮ごと食べるススメ♪

有効成分の高いペクチンは、皮と実の間に多く含まれています。皮をむいて食べたらせっかくのペクチンも皮とともに除去することになります。
りんごはよく洗って皮ごとまるかじりがよいでしょう。この時ちょっと気になるのが農薬。最近では、有機栽培も行われていますが、全く農薬を使わないというのは無理なようです。厳しい衛生試験場の検査が行われているのでよく洗えば心配ありません。
すりおろして使うときも、またジュースやサラダにする時も皮ごとの方が効果的です。ちなみに、ポリフェノール・カリウムなどの栄養効果はジュースにしても変わりません！

がん予防にも？

腸がんにかかった人の食生活をみると食物繊維を多く含む豆類や果物の摂取が少ないという報告があります。

ガンを未然に予防するには日頃から食生活に注意することです。
なぜならガンの発生を促す食品もあれば、逆に発ガン物質の力を抑制する食べ物もあるからです。大腸ガンは、腸管内で発生した、発ガン性物質が大腸を通過する時間が長ければ長いほど、大腸の粘膜との摂食時間も長くなるため発生する危険が高くなると言われます。

りんごの食物繊維の働きは、便秘の解消だけでなく、腸内で発生した有害物質の吸収・排出をし、発ガン性物質を拡散させてくれます。りんごのペクチンは腸の善玉菌を増やし、悪玉菌を駆逐してくれるので結果的に肝臓を元気にし、転移も防ぐことがわかっています。

煮ても焼いてもりんごのペクチンは生きています。生だけではなく、いろいろな調理方法で1日1個必ずりんごを食べましょう。