Oil

老化を加速させる油

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油に含まれる脂肪酸とは?

油の成分の9割は脂肪酸で飽和、不飽和脂肪酸に分類されます。

飽和脂肪酸

これは動物の脂身に含まれているほか、ヤシ油、パーム油、バター、ラードなどにも含まれていて、特徴としては常温でも固まり、よく現代人が摂りすぎと言われている油です。

飽和脂肪酸を摂りすぎると活性酸素を作ってしまうので体の老化や成人病に罹りやすくなると言われています。

不飽和脂肪酸

サラダ油、キャノーラ油などに含まれます。

不飽和脂肪酸は体内で作ることができない多価不飽和脂肪酸という必須脂肪酸と言われるものと、体内で合成できる一価不飽和脂肪酸に別れます。

一価不飽和脂肪酸

よく知るオリーブオイル、米油、キャノーラ油、ハイオレックタイプの紅花油、ひまわり油が一価不飽和脂肪酸を多く含む油で主にオレイン酸を多く含んでいて酸化しにくいという特徴を持っています。

この脂肪酸がオメガ9脂肪酸です。

多価不飽和脂肪酸

ごま油、トウモロコシ油、サラダ油、大豆油が代表的で、リノール酸を多く含む油でオメガ6オメガ3に別れていてどちらも酸化しやすい性質を持っています。

オメガ3は現代人に最も足りない油として知られ、魚油、エゴマ油、アマニ油、MTCオイルに多く含まれ、健康食品の紹介などでよく耳にするαリレイン酸やDHA、EPAが多く含まれとても酸化しやすい特徴を持っています。

酸化した油による体への影響

リノール酸

リノール酸を多く含んだ油は、火にかけなくても光や酸素によって酸化していくと過酸化脂質という超活性酸素のスーパーオキシドアニオンという成分を発生させます。

これはDNAを攻撃する発がん性物質と言われています。

すぐに使い切れば良いのでは?と思いますがそんな事はなく、リノール酸の熱変性の温度が低い事と、製造過程の問題があります。

特に製造過程の問題については注意する必要があります。

まず一つ目はリノール酸を多く含むオメガ6系の油の場合、臨界温度と言って性質が変わってしまう温度がありますが、それが140〜150℃になります。

これでは揚げ物には使えません。

臨界温度を超えたリノール酸はトランス脂肪酸へと変化します。

これとは逆にオリーブオイル、キャノーラ油などの臨界温度は200℃以上と高いためリノール酸を多く含むサラダ油で揚げ物をするという事は極端な話マーガリンで揚げ物をするのと変わらないという事です。

リノール酸が多ければ多い程焼くときに使っても揚げる時に使ってもトランス脂肪酸が増えてしまうという事になります。

ただ、この場合の変性の速度はそこまで速くないので短時間使う分にはまだ大丈夫と言われています。

大量性生産

大量生産で作られた油は大抵ヘキサンという溶剤を使って植物の種や実から油を抽出します。大手のメーカーは多くの場合この溶剤を使っている事が多く、このヘキサン自体の成分は加工段階で取り除かれてしまうので成分表を見るだけでは分からないのです。

そしてこのヘキサンを使った具体的な抽出方法は、原料になる植物とヘキサンを火にかけ植物の中の油をヘキサンの中に溶かし出します。次に200℃〜250℃でヘキサンを蒸発させ、リン酸、苛性ソーダで不純物を取り除き、活性白土などを使って脱色をするという工程をおこなって製造されています。

これは不純物の問題より先に加熱されている事が問題です。

そしてこれは、サラダ油に限らずこの製法全ての油に言える事ですがこの時200℃以上に晒された油にはヒドロキシノナールという有毒物質が発生してしまうのです。

そしてこの成分はトランス脂肪酸と違って185℃で30分の加熱でも発生してしまいます。

この製法で製造されても精製油になるまで10時間程度の時間がかかります。という事はリノール酸を多く含んだ油は封を開ける前からトランス脂肪酸とヒドロキシノネナールが含まれているという事になります。

なのでこの製法で作られる油は加熱せずにサラダにかけても有害物質が初めから入っているということになります。

そしてこの製法で抽出した場合ポリフェノールなどの脂質以外の健康成分は300分の1までに減少してしまうと言われています。もともと少ない成分の300分の1ということは健康成分はほぼ残っていないのです。

この製法で作られた添加物の入っていない油の酸化が早いのはそのせいでもあるのです。

ヒドロキシノネナール

これは体に入るとDNAの損傷を引き起こし、アポトーシスと言って細胞の壊死や自殺を引き起こします。

一番よく言われているのは脳へのダメージで、多く摂取するとアルツハイマーの原因物質となることが分かっています。そして神経の細胞も破壊してしまうのです。

そしてリノール酸自身も摂取量が多かったり、体内に活性酸素が多い状態だとリノール酸として取り込んだものが細胞内で酸化ストレスに」よってヒドロキシノネナールを発生させてしまうのです。

もちろんリノール酸は必須アミノ酸で摂取しなくてはいけない油なのですが、オメガ3とオメガ6が1対1、もしくは1対2が理想とされているのに対し、現在の脂肪酸の比率は1対10や1対8程度になってしまっているのが現状です。

Warm Japanese rice

リノール酸は油だけに含まれる訳ではなく、1日2杯から3杯ご飯を食べれば1日のリノール酸の摂取量を満たしてしまいます。

ご飯だけで1日の摂取量を満たしているので更にオメガ6を油からも摂るという事はこれだけで過剰摂取という事になります。

ニホンザルに週1回半年間ヒドロキシノネナールを摂取させた実験では、血管を含めた全ての臓器の細胞にダメージを与えたことが分かっています。要するに認知症など脳だけではなく身体中に影響がある可能性があるという事になります。

そしてこの影響を特に受けやすいのがアルコールに強くない人でヒドロキシノネナールはアルコールを飲んだ時に発生するアセトアルデヒドに構造が似ていてアルコールに弱い人ほど分解するときに肝臓に負担がかかってしまいます。なのでリノール酸を多く含んだサラダ油の摂取は気をつけなくてはいけないのです。

揚げ油

一度使用した油が勿体無いからという理由で揚げ油を再加熱するという事は最悪ということです。

一度使った揚げ油は例え翌日でも使わないほうが良いでしょう。特にアルコールに耐性のない子供の摂取には特に注意が必要です。

スーパーやコンビニの揚げ物や飲食店の揚げ物にも同じことが言えるので気をつけるに越した事はないでしょう。

オメガ3を多く含む油でも、例えばアマニ油の臨界温度は60℃とと低くなっているので加熱には全く不向きです。

キャノーラ油も健康被害の報告がありますが、コーン油や大豆油などのリノール酸を多く含んだ油よりはマシという事になります。

そういう意味ではオリーブオイルやひまわり油は優秀ですね。

最後に

神経質になりすぎても食事が楽しめなくなってしまいます。

かといって気にしなさすぎでは体に良くないので程々に撮りすぎないように気をつけるしかありません。

お料理の油選びの参考にでもなれば幸いです。

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