イタリアンパセリの育て方
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イタリアンパセリ
イタリアンパセリは、ヨーロッパ地中海原産のセリ科のハーブ。2年草のハーブです。(※2年草とは、種まきした翌年になってから花が咲くというように、生育のサイクルが2年にわたるもの。)パセリの中でも、イタリアンパセリは葉が縮れていない平葉種になります。
ビタミンやミネラルなどの栄養を豊富に含んだセリ科のハーブです。糖質をエネルギーに変え、疲労回復にも役立つビタミンB1など美容や健康によい効果をもたらしてくれます。スープやサラダに加えて食べるとほどよい苦味がくせになります。
園芸分類 | ハーブ |
---|---|
草丈・樹高 | 20~30cm |
耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | やや強い |
花色 | 白色 |
開花時期 | 6~7月 |
育て方のポイント
イタリアンパセリは、春や秋によく育つ野菜です。生育適温の15〜20度の気温で、日当たりと水はけのよい環境で育てるのがポイントです。夏の暑さや冬の寒さには弱いので、鉢植えは室内へ移動させて直射日光や霜を防ぐとよいでしょう。
実生での育て方
3~5月頃、9~10月頃が種まきの適期です。気温が低いと発芽まで2~3週間ほどかかることもあるので、できるだけ暖かい時期に種まきをしておきましょう。
植え替えを嫌い、1年ほどで枯れてしまうので、種まきから収穫までは同じ容器や場所で育てます。キッチンなどで小さく育てる場合は、5~6号鉢を、ベランダーで育てるなら浅型の鉢やプランターがおすすめです。
- 土を入れたポットやプランターに指で1cmほどの穴を作る
- 1つの穴に4粒ほどの種をまく
- 種の穴同士は15cmほど間隔をあける
- 風が強いなら種が飛ばないよう土を薄く被せる
- 霧吹きなどでそっと土を湿らせる
- 日光を浴びて発芽するので日のよく当たる場所に移動させる
- 発芽するまで土を乾燥させないよう水やりを続ける
- 双葉が生えたときと、葉っぱが5枚ほど育ってきたときに生長の遅い苗を間引く
苗の育て方
イタリアンパセリは、種から育てるより市販の苗から育てた方が早く簡単に収穫を楽しめます。初めての方は、失敗も少ないので苗から育てるのがおすすめです。
地植え
- 植え付けの2週間前に土作りをする
- 植え穴を掘って苗を植える
- 株同士の間は15cmほど空ける
- 株が倒れないように土を株の周りに入れて固定したら、たっぷり水やりをする
- 夏場は株元にワラを被せるなどのマルチングをして乾燥を防ぐ
鉢植え
- 浅鉢や大きめのプランターを用意する
- 底に鉢底石、培養土の順に1/3ほど土を入れる
- 苗を15cmほど間隔をとりながらいくつか置き、土で隙間を埋める
- 株が倒れないように固定したら、最後に鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをする
詳しい育て方
土
水はけがよく、養分の多い土を好みます。鉢植えは、市販の野菜用やハーブ栽培用の土か、赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜた土がおすすめです。
地植えは、植え付けの2週間前に土を掘り起こしてから、1㎡あたり100gの苦土石灰を混ぜて酸性度合いを中和しておきます。水はけが悪い場合は、苦土石灰を混ぜて2週間ほど寝かせた後、腐葉土を全体の3割ほど混ぜ込んでください。さらに1〜2週間ほど寝かせると、よい土ができあがります。
水やり
乾燥を好みます。鉢植えは、土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るくらいたっぷり水やりをしてください。毎日の水やりではなく、土の乾き具合を参考にすると過湿にならずにすみますよ。地植えは、水やりの必要はありません。
肥料
植え付けのときに緩行性の化成肥料を混ぜ込みます。株が生長してきたら10~15日に1回くらいのペースで、固形肥料か液体肥料を与えるようにしましょう。葉っぱの生長を促したいので、窒素成分の多い肥料を混ぜ込むとよいですよ。発酵油かすなどがおすすめです。
病害虫
イタリアンパセリは、葉が白くなるうどんこ病にかかりやすいので注意してください。うどんこ病は、湿気が多い場所で発生する菌が原因の病気で、光合成ができなくなって次第に枯れてしまいます。
病気にかかっている葉っぱは、見つけたらすぐに切り取って処分してください。被害がそれ以上広がらないように、カリグリーンなどの薬剤を散布するか、木酢酢を吹きかけると予防になりますよ。
増やし方
イタリアンパセリは、種まきと挿し木で数を増やせます。夏から秋にかけて、種を採取して、春まで保存し、植え付けと同じように栽培します。乾燥させることで採種しやすくなります。
挿し木は、切り取ったイタリアンパセリをきれいな水を入れた容器に挿しておくだけです。これを「水挿し」といい、葉っぱをつけた状態で切り取るのがポイントです。水は毎日入れ替えてください。
収穫
イタリアンパセリは、草丈20cmくらいになったら収穫できます。根元を2~3cm残して、食べる分だけをハサミで切って収穫しましょう。株同士の混み合っていると風通しが悪くなるので、順次収穫して間引いていきます。
利用・保存方法
イタリアンパセリは、ビタミンA、B、C、鉄分、カルシウムが豊富です。色鮮やかなグリーンの葉は料理の彩りにも活躍します。肉料理、魚料理から、スープ、生葉はサラダなど様々な料理にも使いやすく、美味しくいただくことができます。
たくさん収穫できた時は、綺麗に洗って水気を切りそのまま冷凍保存します。イタリアンパセリが凍ったら、密封した袋ごと揉んで粉々にすることができます。使いたい時に使う分だけ取り出せて、とても便利なハーブです。
ドライパセリの作り方
- 収穫した葉を水洗いする
- ザルに入れて水気をきる
- キッチンペーパーを敷いた皿の上に葉を載せ、電子レンジで1分ほど加熱する
- 葉がカラカラになるまで30秒単位で加熱を繰り返す
- あら熱が冷めたら、電動ミルや調理用にハサミで切り刻む
- 細かく切り刻んだら、密閉できる袋や瓶にシリカゲルと一緒に入れる
- 常温か、冷蔵庫に入れて保存する