三つ葉の育て方
Table of Contents
三つ葉
三つ葉(ミツバ)は日本原産のセリ科の香味野菜で、全国各地に自生し、葉が3つに分かれることから三つ葉(ミツバ)と呼ばれています。
作り方によって茎を青くした青ミツバ、茎を軟白にした根ミツバがあり、そのさわやかな風味と香りは和食に欠かせないものとなっています。
生育適温が15度~23度と涼しい気候を好み、暑さと乾燥を嫌います。半日陰で湿気が多い所での栽培が向いています。
プランターに種を直にまいても簡単に育ちます。また、お店で購入した根つきの三つ葉(ミツバ)を植えてもよく育ちます。水栽培にも向いていますので、リボベジ(再生野菜)やキッチンガーデンとしても取り入れやすい野菜です。
園芸分類 | 野菜 |
---|---|
草丈・樹高 | 15~30㎝ |
耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | 弱い |
花色 | 白色 |
育て方のポイント
湿った土で育て、連作しないようにすることが、おいしい三つ葉を収穫するポイントです。乾燥を嫌い、水切れを起こすと枯れてしまいます。特に春~秋の生育期は、水やりを忘れずに行いましょう。
また、鉢植えやプランターは必ず新しい土で育て、地植えは過去2年三つ葉やセリ科の植物を育てていない場所を選ぶようにしてください。
実生での育て方
発芽適温は18~20℃前後なので、4~6月か9~10月が種まきの適期です。発芽率が高くないので、少し多めにまくとよいですよ
1. 種を一晩ほど水に浸して発芽しやすくする
2. 育苗箱など底の浅い容器に赤玉土(小粒)など清潔な土を入れる
3. 種が重ならないよう1cm間隔ですじまきにする
4. 2列にする場合は、列の間隔を15~20cm以上空ける
5. 種に薄く土を被せる
6. 発芽するまで土を乾かさないように水やりをする
7. 双葉が開いたら、葉っぱが触れ合わないよう間引く
8. 本葉が3~4枚に育ったら、鉢やプランター、地面に植え替える
苗の育て方
三つ葉は直根性で、根が傷つくと株が弱ってしまいます。根についた土は崩さず、植え付けていきましょう。
鉢やプランターは、深く大きいものを使うようにします。鉢植えなら深さ30cmほどある10号鉢に、プランターなら45cmプランターに2~3株ほどが植え付けの目安です。苗よりも少し大きめの植え穴を掘り、日当たりのよい場所で管理していきます。
地植えは、日当たりのよい場所を選び、植え付ける2週間ほど前に深さ7~10cmほどの溝を掘って土作りをすすめていきます。土作りが終わったら、幅40~50cm、高さ10~15cmほどの畝を作ります。
複数の畝を作るときは、間隔を15cm以上空けてください。そして畝へ株同士の間隔が5~20cmほど空くように、苗を植え付けます。
詳しい育て方
土
酸性土壌に弱い性質があります。
プランター栽培の場合は、野菜用の培養土で育てましょう。
畑栽培の場合は、堆肥や元肥を入れる2週間前位には石灰を入れ耕しましょう。その後堆肥と元肥を入れ土になじませましょう。
水やり
三つ葉(ミツバ)は乾燥を嫌いますので、水切れさせないように注意しましょう。
水分を好む三つ葉(ミツバ)ですが冬の期間は生育が鈍ります。加湿は避け、土が乾いてから水を与えましょう。
肥料
元肥だけでもよく育ちますが、葉が黄色くなり、草勢が落ちているようなら追肥を与えましょう。収穫後に肥料を施しておくと、また芽が伸びて収穫できます。
病害虫
三つ葉は、アブラムシやハダニといった害虫のほかに、キアゲハの幼虫が発生することがあります。キアゲハの幼虫は、放っておくと三つ葉の葉っぱをすべて食べてしまうので、見つけたらすぐに駆除していきましょう。
また、連作や乾燥、過湿によって、アブラムシなどウイルスを媒介とする害虫が発生しやすくなってしまいます。きちんと風通しのよい環境を整えることが、何よりの予防になります。
増やし方
三つ葉は種から増やすこともできますが、風味が親株に比べて落ちてしまうので、あまりおすすめはできません。根があれば新しい茎を伸ばすので、挿し木を水耕栽培にして、数を増やすとよいですよ。
根についたヌメリを洗い落し、こまめに水を取り替えていると、1週間ほどで新しい葉っぱが出てきます。
1. 3~4cmほどの長さに茎を切り取る
2. 根が浸る程度の水が入った容器に入れる
3. 明るい日陰に置く
4. 1~2日に1回ほど水を取り替えて管理する
リボベジ
三つ葉(ミツバ)は、畑栽培だけでなく、ベランダでも簡単にプランターで育てることができます。
もっと気軽な栽培方法は、買ってきた根の付いた三つ葉(ミツバ)で「リボベジ(再生野菜)」として水耕栽培することも可能です。キッチンガーデンの第一歩として、簡単に育てられますのでお試しください。
- 三つ葉(ミツバ)の根元を5cmほど残します(新芽を残しましょう)。
- 器に三つ葉(ミツバ)の根元を入れ、水を注ぎます。その際、三つ葉(ミツバ)が水に浸かりすぎると、腐りやすくなります。三つ葉(ミツバ)の根が水に浸る程度の水の量を心がけましょう。
- 水は毎日取り換えましょう。特に夏場は水が腐りやすく、菌が繁殖しやすいため、こまめに取り換えましょう。
- 容器や三つ葉(ミツバ)の根元にぬめりがないように、綺麗に洗いましょう。
- 腐ってしまった三つ葉(ミツバ)は、すぐに破棄しましょう。
- 菌の繁殖に注意し、薬味のような生食は避け、必ず火を通しましょう。
- 引き続き育てたい場合は、土に植えて栽培することをおすすめします。
収穫
草丈が15cm以上に育ったら、株元を3~4cmほど残して切り取って収穫します。使う量だけでも、大量にばっさりと収穫しても、生命力が強いのですぐに新しい茎を伸ばして生長します。
何度も収穫するために、収穫後も肥料を忘れずに。また、花が咲いてしまうと生育が鈍るので、種を採取したいとき以外は、咲く前に摘み取るようにします。