Gardening

棗(ナツメ)の育て方

置き場所

ナツメを庭に地植えするのであれば、土が排水性に富んだ場所を選びましょう。ナツメは耐暑性・耐寒性が高く、乾燥に強い樹木です。過湿は苦手としますので注意してください。

また、ナツメは梅雨に花を咲かせる樹木ですので、鉢やプランターなどで植えているときは雨にかからない場所へ移しましょう。

ナツメは日当たりを好みます。日照が悪いと結実しなくなるので、果実を楽しみに育てるのであれば、日当たりの良い場所で管理してください。

用土

水はけ良く保水性の高い土を好みます。植え付け時には、たっぷりと腐葉土を混ぜ込むようにしましょう。ナツメ(棗)を鉢植えで育てる場合は、市販の培養土で問題ありません。

自分でブレンドする際は赤玉土(小粒)と腐葉土を3:7をブレンドします。

水やり

地植えの場合は、特に水やりの必要はありません。夏期、乾燥が続いた時などは、様子を見てたっぷりと水を与えてください。鉢植えのナツメは、表土が乾いたら鉢底から水が出てくるくらいを目安にたっぷりと与えます。

冬でも地植えのときは水やりを行わなくても構いません。鉢植えの場合は、鉢土の表面が乾燥しているようであれば水やりを行います。

肥料

ナツメはあまり多くの肥料を必要としません。

地植えをしているのであれば、11月〜12月有機質の化成肥料を施肥しましょう。この期間に1度与えれば良いです。

鉢植えにしているときは、3月に速効性の化成肥料を与えるようにして、11月〜12月にも有機肥料を施します。

植え付け

ナツメ(棗)の植え付けは、葉が落ちている12~3月に行います。

苗木は30cm〜40cmの大きさになったら、枝を剪定して植えます。

増やし方

ナツメの増やし方は、「種まき」と「株分け」、「根伏せ」、「挿し木」、「取り木」の5つあります。種まきについては前述の通りです。ナツメは、根伏せか取り木を行うと成功しやすいです。

・種まき

ナツメは果実ができ、その中に種子をつけます。種をきれいに取り除いて植えれば、発芽させることも可能です。ただし、ナツメは発芽抑制物質を含んでいるので、これを取り除くために種はていねいに洗っておく必要があります。

ナツメの種は冬の寒さを浴びないと発芽しないという休眠性があります。採り蒔きを行うのであれば、秋に採種します。

春蒔きであれば、種子を乾燥させないために、湿った水苔と一緒にビニール袋に入れて冷蔵庫で保管します。春になったら蒔きましょう。

種まきに用いる用土は栽培用の用土を使うと気軽にできます。自作するのであれば、水はけと水持ちが良い質の赤玉土を使用しましょう。土は新鮮なものを使います。

・株分け

ナツメは親株から離れた場所から蘖(ひこばえ)が生えてきます。蘖と親株を切り離して新しい土に植え替えると増殖させることができます。蘖とは、木の根元から出る若い芽のことを指します。

株分けの適期は3月ころで、浅植えにしてナツメの生長に合わせて植え替えを行ってください。

・根伏せ

根伏せは、根を伏せて苗を増やせる挿し木の方法の一つです。

指の太さになった根を10cm〜15cm程度にカットしてください。新しい土を用意して軽く埋めていきます。ある程度日数が経つと芽が出てきます。邪魔になる枝がある場合は、根本から取り除いてしまいましょう。

・挿木

挿し木は、接木で行うと成功しやすくなります。接木は、品種の異なる台木に挿し穂を繋ぎ合わせることです。接木は生育が盛んで病害虫にも強い品種を用いります。台木の性質を引き継いだ枝が生長し弱っている品種が強く生長します。

しかし、台木と挿し穂との相性にも気を付けなければなりません。相性をできるだけ合わせるために、近縁種のものを採用します。

ナツメの場合、苗が小さいと枝葉と根茎のバランスが悪いこともあり成長の途中で枯れて死んでしまうという事態になることがあります。

・取り木

取り木とは、茎の途中から根を出させるために、茎の皮を剥いで増やすことです。根が出てから切り取るやり方です。特にナツメは、圧条法という方法を使用してください。

圧条法は、枝または茎を曲げて株元近くにその枝や茎を土の中に埋めて発根させたあとに、切り取って増殖させる方法です。このときは水やりを控え、枝や茎を曲がりやすくします。

外を向いた若くて元気な枝を選択し、折れないようにして曲げていきます。環状脱皮を行った部分を5cm〜10cmのところまで土中に埋めます。土を乾かさないように水やりを施しましょう。

発根を確認できたら、根にキズがいかないように親株から切り離して植え付けてください。

収穫

ナツメは9月の後半から10月の後半あたりに収穫するのが良いでしょう。

果実が焦げたような茶色になったら、少々柔らかくなった実を採っていきます。収穫には手袋をはめて、枝を持って引き抜くようにすると取れやすくなります。

夏越し

夏は生長期です。しっかりと日に当てましょう。乾燥が続いたら、水やりを行います。

冬越し

ナツメ(棗)は冬には落葉し休眠します。植え替えや植え付けは、この休眠期に行います。

病害虫

ナツメはナツメコガの幼虫に食われる被害があります。ナツメコガは、8月〜9月にかけて発生します。見つけたら、初めはディプレックスを撒いておきましょう。効かない場合は、スミチオンという殺虫剤を散布しておいてください。

そのほかにもハマキムシやカイガラムシが付着することもあります。

温度管理

ナツメの発芽温度は25度〜30度です。耐寒性は-15度で耐暑性は35度と、寒さ、暑さともに強い特徴があります。

ナツメの芽を出させるには、夏に種まきを行うのが最適です。

ナツメの開花時期は、5月〜7月の間です。葉の脇に薄い黄色の花を咲かせます。

花は8月〜10月に結実を始め、楕円形の緑の実を付けます。

この実が成熟した頃に収穫することができるのです。

花言葉

ナツメの花言葉には、「健康」「健康の果実」「英俊」や「若々しさ」「あなたの存在は私の悩みを軽くします」といったものがあります。

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