Gardening

木酢液(ガーデニング編)

木酢液の病原菌撃退のしくみ

木酢液の効果は、植物そのもの以外に間接的に影響を及ぼすため、化学農薬と比較すると適切な説明をすることができない難点があります。
しかし病害虫が減るため、減農薬や無農薬栽培に取り組みやすくなり、植物の生育が良くなり糖度や日持ちが良くなる特徴も知られています。
堆肥に利用することも勧められており、その場合には発酵を促進する効果と同時に堆肥特有の匂いをおさえる効果もあります。

散布する際には、原液の場合pHが強酸性に傾いているため、適格なpHにするためには500倍に希釈する必要があります。しかしその場合には、pHは5.5~6.0となり酸による殺菌効果は見込めません。元々害虫を寄せ付けない“忌避効果”も期待できるほどありません。

ではなぜ病原菌の撃退に役立つと言われているのでしょうか?

この理由には有用微生物の存在があります。原液のpHでは病害菌だけでなく有用菌も殲滅してしまうほどの殺菌作用をもつ木酢液ですが、希釈することで適正なpHとなれば病害菌、有用菌ともに繁殖は可能となります。

しかし木酢液に含まれる有効成分は有用微生物のエサとなるため、病害虫と比較して有用微生物の方が優先的に繁殖ができる環境となるのです。
また病害虫が好む農作物は肥料過多などが原因で弱っていることが多いのですが、木酢液を植物に対して散布すると、植物体内にある過剰な未消化窒素成分(亜硝酸など)が木酢液中の有機酸と結合することでタンパク質などの有用な物質が合成されます。

タンパク質によって細胞が強化されることにより、生育が健全な状態へと立ち直っていくのです。

木酢液自体が抗菌・殺菌作用を持つ訳ではありませんが、植物自体が元気な状態になれば、病害虫もなかなか近寄ることができないのです。人の健康管理に似てますね。

土壌散布

木酢液は土壌散布も推奨されています。
良い土の条件の中には、土壌生物が多様であることも重要視されています。

微生物や小さな動物は有機物を分解し土の団粒化に役立つものもいれば、植物の根のために栄養を供給するものもいます。もちろん土壌中には病害菌も生育していますが、生態バランスが取れていれば異常繁殖による病害の発生も起きません。

そして土壌中の有用な微生物を増やすのにも一役買うのが木酢液なのです。様々な有効性分が含まれ、それらは有用微生物のエサとなります。微生物が適切な量に増えれば、土壌病害菌と戦うだけでなく、有機物やリン酸、ミネラルを分解して根の栄養補給の手助けを行なってくれます。

目安としては15日おきくらいに、農作物にかけるよりも薄い1000~2000倍に希釈したものを撒くようにしましょう。この際うっかり100倍より濃い濃度で散布してしまうと、有用微生物の増殖も抑えてしまうので注意してくださいね。

木酢液のアレンジ

木酢液原液が強い酸性のため、そのまま吹きかけるのはNGですが、その性質を利用してオリジナルの木酢液をつくるのもオススメです。

木酢液に他の素材を漬け込むことで、それら素材の効果ある成分を抽出し相乗効果を得ることができるのです。

例えば動物性のものであれば魚のアラや卵の殻が挙げられます。魚であればアミノ酸やリン酸がたっぷり含まれているため、糖度アップや果実の肥大に効果が期待できます。

卵の殻はカルシウムが豊富になるため、糖度や着色アップが期待できます。
忌避効果をあげたいのであればヨモギやミントといったハーブ類を漬け込み香りをつけて忌避効果を狙うことができます。
トウガラシやニンニクの漬け込みも同様の効果が見込めます。

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