クローブ/Clove
Table of Contents
クローブ
クローブはインドネシアのモルッカ諸島原産でフトモモ科の常緑樹、主にタンザニア(ザンジバル島)、マダガスカル、ブラジル、インドネシアで栽培されています。
1.5cm位の釘に似た形をし、色は濃褐色で、強く甘い芳香と舌にしびれるような刺激味が特徴です。熱帯・亜熱帯地方で成長する常緑樹で、そのつぼみが開花する直前(ガクとともに淡いピンク色を帯び始める頃)に摘みとり、日陰に干して乾燥させ、スパイスとして利用します。
歴史
中国ではクローブは紀元前から知られていて、歯痛のときに噛んだり、媚薬としても使用されていました。またヨーロッパでは収穫できなかったことから、金と同価値と評価されていた時代もあったとされます。
日本にも5~6世紀には伝来していたようで、刀のサビ止めなどに用いられたと伝えられています。
17世紀のヨーロッパでは、伝染病の原因が悪臭にあると考えられていたため、空気の浄化に香り高いクローブが使われたといわれています。
クローブの名はフランス語で「釘」を意味するclouに由来しており、開花前のつぼみの形が釘に似ていることから来ています。
効果・効能
酸化防止効果
酸化の原因は色々ありますが、すべての病気や老化の原因は酸化から始まります。酸化とは錆びるという事であり、新鮮でなくなるという事です。酸化が進み、鮮度が悪くなると、腐敗して死に至るのです。クローブなどの抗酸化効果の高い食材はこういった酸化に効果があるといわれています。
体を温める
クローブは、漢方で生薬「チョウジ」として温中降逆といった胃腸を温め、体内の冷えを改善するための漢方薬として使われます。西洋諸国でもクローブは冬の料理に欠かせないスパイスです。漢方の知識がなくてもその様な文化が生まれたのは、「食べると体がポカポカ温まる気がする」と昔の人々も肌で感じていたのでしょう。
鎮痛効果・抗菌効果
クローブに含まれている成分、オイゲノールには、強い鎮痛効果と抗菌効果があり、抽出されたものは医療用に使用されます。歯痛や歯肉炎を鎮めるために歯医者さんで使用されています。正露丸にクローブが使われているのも鎮痛作用があるからです。
クローブの活用法
シチュー、スープ、ピクルス、ホットワイン、チャイ、菓子などに。
肉の臭み消しに効果的で、ポトフ、ビーフシチュー、豚の角煮、カレーなどによく使われます。香りが強いので、使いすぎには注意が必要です。また、ホールを使用した場合は、調理後に取り除きます。煮込み料理にホールのクローブを使うときは、材料(玉ねぎやにんじんなど)に十文字の切り込みを入れ、そこに刺しておくと、後で取り除きやすくなります。
また、甘い香りを活かし、菓子やドリンクの香りづけにも利用されています。
料理以外では、クラフト作りにも使われ、中でも、オレンジなどのかんきつ類にホールのクローブを刺して作る「フルーツポマンダー」が有名です。